後藤特許日記

後藤特許日記(2021年3月)-ベランダの花(1)-

 2021年2月23日、ベランダにあんずの花が開いた。ほんのりとピンクがかった5辨の花。あんずは梅や桜と同じくバラ科サクラ属の植物。梅の花と比べるとやや小さく、香りもなく、気品といったものも乏しい。何が違うのか観察してみると、梅は、花びらの形や雄しべの伸び方に意匠を凝らしているが、あんずには、そのような造形的意思が無い。あんずの花びらは円に近い楕円形をしていて、縁に波形を作ったりせず、簡単な式で表現できる形状をしている。雄しべは外側に向かって放射状にまっすぐ伸びていて、梅のように軽くカールしたり交差したりしていない。要するに飾りっ気がなく素直なのだ。一方、樹皮は桜に似て、えんじ色をしている。白い筋が編み目のように入っていて、こちらは梅や桜より凝っているように見える。シンプルな花と少し凝った樹皮とのバランスがいい。
                                        後藤 幸久
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